酒井いずみが代表を務める、
「つくばのまちづくりを考える会が」考える
まちづくりの目標は
長い歴史を持つ農村集落と
国策として開発された筑波研究学園都市と
新たに開発されたTX沿線開発の住宅地の三つの地区が
それぞれの特色を活かした田園都市をつくることです。
キーワードは
「村の記憶」「森の継承」「緑陰の街づくり」
つくば市春風台の風景
つくばのまちづくりを考える会は、平成2年に発足しました。
当時、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備?一体的推進に関する特別措置法が施行され、この法令の適用第一号として、茨城県が常磐新線(今のTX)の沿線開発計画を発表しました。
この計画では、つくば市に2,000ヘクタール、20万人の住宅地を造ることになっていました。当時はバブル経済の最盛期だったのでこの様な大規模開発計画が立てられたのです。
しかし、この開発計画はあまりにも巨大で早急なものでした。
2,000ヘクタールの開発予定区域の中には、多くの農村集落や屋敷林、農地が含まれていましたが、それらを全部、市街化区域に編入して住宅地と商業地にしてしまおうという計画だったのです。
当時の茨城県知事の竹内藤男氏は、「ゴチャゴチャした集落を市街地にしてスッキリした街にする」などと言っていたのです。
これに対して、開発から集落と屋敷林を守れという声が、開発区域内の地権者から上がりはじめまたのです。
その時出来た任意団体が「つくばのまちづくりを考える会」です。
初代の会長さんは、今は故人となられた桜井藤郎さんでした。
この会は、その後も息長く続き、多くの学識経験者の支援も受けて、開発区域から集落と屋敷林を除外させることに成功しました。
また、単に開発区域を縮小させるだけでなく、開発区域の周辺に36ヘクタールの平地林(屋敷林)を保健保安林として永久保全する事業も行いました。
現在のTX沿線の市街地が、周辺の美しい平地林や農村集落に囲まれて、緑豊かな住宅地が造られているのはこのためです。
TXの沿線開発区域が確定し、開発工事が進む中でも、「開発区域の中にいかにして緑(緑地)をも残すかという議論は続き、「春風台」や「桜の森」、「流星台」などの、緑住農一体型の住宅地が生まれています。
そして、現在は、つくば市内の、長い歴史を持つ農村集落と、国策として開発された筑波研究学園都市と、新たに開発されたTX沿線開発の住宅地の、三つの地区がそれぞれの特色を活かした田園都市をつくることを目標にした活動を続けています。